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コールセンターサービスの問い合わせ傾向分析にAIを活用し自動化

~顧客満足度の向上と、企業のコールセンター運用効率化やコスト低減を実現~

2018年08月14日

株式会社NTTデータ・スマートソーシング
株式会社NTTデータ
株式会社レトリバ

 

株式会社NTTデータ・スマートソーシング(以下、NTTデータ・スマートソーシング)が提供しているコールセンター基盤サービス(注1)のオペレーション部分に、株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)がAI領域においてパートナーシップを結んでいる株式会社レトリバ(以下、レトリバ)のAIソリューション「VoC Analyzer」(注2)を新たに採用しました。「VoC Analyzer」の導入にあたっては、NTTデータが「VoC Analyzer」の適用支援を行いました。
 コールセンターに寄せられる問い合わせ傾向分析作業の効率化、品質向上により、①件数の多い問い合わせへの回答案を充実させ、応対時間を短縮、②マニュアル等の充実による入電数削減を実現します。また、2019年3月以降に感情分析ソリューションを導入予定で、③消費者の感情分析に、質の高い学習データの利用が可能となります。これにより、顧客満足度の向上およびお客さま企業のコールセンター運用の品質向上、効率化、コストダウンを実現します。
 今後3社では、レトリバのソリューション提供を通じて、VOC(Voice Of Customer)活用を図るコールセンターや、保守対応履歴の活用を望む製造業を中心に、さまざまな業界・業務におけるお客さま企業のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していきます。

 

 

背景

 商品・サービスに対する消費者の要求レベルの高まりにより、コールセンターの存在を重視する企業が増えています。また、労働人口減少により採用難でもあることから、コールセンターをアウトソーシングする傾向が強まり、その市場規模が拡大し続けています。
 これに対し、NTTデータ・スマートソーシングは、長年のコールセンター業務受託で蓄積されたノウハウを基に、コールセンター業務に特化したBPOサービスであるコールセンター基盤サービスを展開してきました。また、近年のAI技術の進歩により、AIソリューション活用によるコールセンター業務のさらなる効率化、高度化を検討しており、この度コールセンターオペレーションに、レトリバのAIソリューションを採用しました。レトリバはAIソリューション「VoC Analyzer」の提供およびソリューションに関する技術支援、NTTデータはコールセンター基盤サービスへの「VoC Analyzer」適用支援を通して、お客さま企業のコールセンター運用における問題解決や業務変革を実現します。
 

コールセンター基盤サービスを利用したお客さま企業のコールセンター運用

 

図1:コールセンター基盤サービスを利用したお客さま企業のコールセンター運用

 

概要

 NTTデータ・スマートソーシングが提供するコールセンターのオペレーション部分に、AIソリューション「VoC Analyzer」を採用することで以下を実現します。
 
 ■問い合わせへの分類カテゴリ付与業務の効率化および品質向上
 コールセンターに寄せられる問い合わせ傾向分析のため、これまでオペレータが手動で行っていた問い合わせへの分類カテゴリ付与業務を、「VoC Analyzer」を用いて自動化します。これにより、分類作業を短縮化し、同一水準のカテゴリ付与でオペレータのスキルによるバラつきをなくします。
 また、件数の多い問い合わせや回答困難な問い合わせを正確に把握することで、回答案を充実させることができ、スムーズな回答による応対品質の向上と、応対時間の短縮化が見込めます。


 ■月次レポート、マーケティング/商品企画の充実および効率化
 分類カテゴリ付与業務の効率化により確保した時間で、「クレーム」や「苦情」に分類された問い合わせの深堀りなど詳細分析を行い、月次レポートを充実させます。また、「VoC Analyzer」を使用することで、深層的な顧客のニーズを発掘し、サービス・商品の改善、あるいは新サービス・新商品の開発を促進することが期待できます。


 ■消費者の感情分析に質の高い学習データを活用 ※感情分析ソリューション:2019年3月以降導入予定
 テキストからは読み取れない消費者の感情の起伏を、声から的確に理解し、問題の早期解決を図る感情分析では、怒りやネガティブを示す場合の学習データとして、問い合わせ傾向分析で「苦情」や「クレーム」に分類された問い合わせを活用します。「VoC Analyzer」で正確に分類された質の高い学習データの利用により、感情分析精度の向上を図ります。
 
<期待効果>
 ■顧客満足度の向上
 問い合わせ1件ごとの応対時間の短縮により応答率が向上することから、顧客満足度の向上が期待できます。


 ■入電数削減によるコールセンター運営コストの低減
 問い合わせ傾向分析の効率化により、マニュアルやチャットボット回答の充実等、入電数削減に効果のある改善策を早期に実施できます。そして、入電数を削減することで、コールセンター運営コストの低減が見込めます。実証実験では、マニュアルの充実によって約15~20%の問い合わせの削減効果が期待できることを確認しました(注3)
 

コールセンターオペレーションへのAIソリューション導入イメージ

図2:コールセンターオペレーションへのAIソリューション導入イメージ

 

今後について

 今後、3社はレトリバのAIソリューションを通じて、VOC活用を図るコールセンターや、保守対応履歴の活用を望む製造業を中心に、さまざまな業界・業務におけるお客さま企業のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していきます。
 

AIソリューション導入対象の業界、業務一例図3:AIソリューション導入対象の業界、業務一例

 

参考

 ・「VoC Analyzer」の特長
 教師データ(テキストと対応する正解カテゴリの組)を基に、新たなテキスト群に対して分類カテゴリを自動付与するソリューションです。コールセンターオペレーションに導入した場合、寄せられた問い合わせの傾向を短時間かつ高精度で把握できるようになり、オペレータ業務や管理者業務を効率化します。また、短時間で、問い合わせの傾向からクレーム内容や顧客要望をキャッチし、商品・サービスの早期改善を図ることができるため、顧客満足度の向上に繋がります。
 従来、このようなソリューションはテキスト解析を強化するための辞書作成を必要としますが、本ソリューションは読込んだデータから学習を行うために辞書作成が不要です。また分類根拠を確認できるホワイトボックス志向のため、分類カテゴリの名称変更、新規追加といった分類カテゴリの見直しや、機械の分類精度向上を目的としたトークシナリオ整備も可能です。
 本ソリューションは対応効率や対応品質の向上を望むコールセンターへの導入事例が多いですが、蓄積された保守対応履歴をナレッジ活用することで業務の効率化を図る製造業等、業務の効率化・品質向上という観点でしたらさまざまな業界・業務で適用可能です。
 
・レトリバについて
2006年創業以来、自然言語処理、機械学習、深層学習といったAI基盤技術について深い知見を有する株式会社Preferred Infrastructureから、2016年11月に検索・機械学習・データ分析のプラットフォームの事業を継承した企業です。NTTデータは販売パートナーとしてレトリバのAIソリューションを展開しています。
  

(注1) コールセンター基盤サービスとは、クラウド上に配置されたシステムと標準化されたコールセンターオペレーション(業務処理)による安定品質なサービスを、拠点に制約されずマルチチャネルで対応できる体制および仕組みのことです。このサービスを利用することで、安価で早期にコールセンターを立ち上げることができます。
  
(注2) 「VoC Analyzer」は、NTTデータが提供する「AI.Studio エイアイスタジオ」(http://nttdata-aistudio.com/)のサービスラインナップの一つです。「AI.Studio エイアイスタジオ」は、さまざまなAIエンジンに加えて、外部データ連携、セキュアなインフラ環境をワンストップで提供します。また、情報資産の業務活用に向けたコンサルティングサービスや、新サービス創出に向けた検討~実証実験の実施も含めて、検討段階から商用化までを一元的にサポートします。
 
(注3) NTTデータ・スマートソーシングが運営に関わるコールセンターのデータを用いた実証実験をNTTデータが2件実施したところ、器機の操作方法に関する問い合わせがそれぞれ15%、20%存在しました。操作方法系の問い合わせはマニュアルの充実により削減可能と仮定し、本数値を算出しました。
2件実施した実証実験のうちの1件では、全体の4割近くが「その他」に分類されていましたが、「VoC Analyzer」で分類し直したところ、「その他」の問い合わせの約7割に対し、既存の分類カテゴリを付与できることを確認できました。
 
*本文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

 

 

 

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株式会社レトリバ

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